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マイナンバーカードは持ち歩いても大丈夫じゃないの?リスクをしっかり理解しよう

マイナンバーが誕生した当初から、個人番号の悪用リスクについて様々な意見が出ていますよね。
皆さんも、なんとなく「マイナンバー流出は危険」と感じているのではないでしょうか。

一方で、マイナンバー(個人番号)の流出やマイナンバーカードの紛失、盗難によるリスクをしっかり把握している人はあまり多くないと思っています。

この記事ではマイナンバーに関するリスクを考察し、マイナンバーカードの持ち歩きは危険なのか考えていきたいと思います。

マイナンバー流出の危険性は?

マイナンバー流出の危険性は?

皆さんは、自身のマイナンバーを他人に教えてはならないと認識していると思います。
企業ではマイナンバー制度の開始に伴い、マイナンバーに関する「特定個人情報保護」の管理の徹底が義務づけられるなど、マイナンバーの取り扱いについては厳格に定められいますしね。

番号を知ったところで何ができる?

よく勘違いされているのが、マイナンバーを知られることにより、「なりすまし」の被害にあったり、「個人の資産がバレてしまう」といったところでしょうか。

実際のところ、マイナンバー(個人番号)のみでは、行政等での手続きはできません。顔写真付きのマイナンバーカードや運転免許証等を利用した本人確認が必要となるからです。

自分が他人のマイナンバーを入手できたとして、どんな悪事を働くことができるでしょうか。おそらく何もできません。その人に割り当てられた番号を知っただけにすぎません。

マイナンバーの流出だけでは「なりすまし」の恐れはほぼないのです。

また「個人の資産が把握されてしまう」という懸念については、誰にバレるのかという複数の観点で考える必要があります。

まずは悪意のある第3者ですが、マイナンバーを利用して金融機関(銀行や証券会社)から口座情報を聞き出す手段はありません。そもそも現状では、銀行に対するマイナンバーの提出は任意ですから、銀行はマイナンバーを把握していないこともありますし。

次に行政側ですが、マイナンバー制度開始の目的のひとつに、「税金をしっかりとろう」という考えがあります。ですから銀行に対しても顧客からマイナンバーを取得するように呼びかけたり(現状は任意としていますが、今後必須となる可能性があります。)して、国民ひとりひとりの資産の把握を容易にする動きを進めています。

この点に対しては、税金を支払うのは当たり前のことですし、仕方ないものだと思います。

これが嫌だという人は脱税予備軍となってしまいますよね。

流出しても大したことないのでは?

マイナンバー自体は「個人を特定する番号」であり、その番号だけでは基本的に何もできません。
しいて言えば、マイナンバーを含む個人情報が流出した際に、同姓同名の人との区別がつけられてしまうということでしょうか。

当然マイナンバーは知られたくはない情報で流出して欲しくはないですが、よくニュースで見る、氏名・住所やクレジットカード情報の流出事件の方が個人的にはよっぽど恐ろしいものです。

マイナンバーカードの紛失、盗難時の危険性は?

マイナンバーカードの紛失、盗難時の危険性は?

先ほどは、マイナンバー(個人番号)のみの流出リスクを考えてみましたが、マイナンバーカードを紛失したり、盗まれたりして、悪意のある第3者に入手されたら、どんなリスクがあるのか考えてみたいと思います。

マイナンバーカードに記載されている情報

マイナンバーカードを見たことある方ならご存知でしょう。カードには以下の内容が記載されています。

  • 氏名
  • 住所
  • 生年月日
  • 性別
  • 顔写真
  • 電子証明書の有効期限の記載欄
  • 製造番号
  • セキュリティコード(役所が使用する番号)
  • 引越した際の新住所などを記載する欄
  • 臓器提供意思表示欄
  • 個人番号(裏面)

いわゆる個人情報が満載ですが、イメージとしては、運転免許証に個人番号が追加されたものという感じです。

どんなリスクが想定されるか

では、上記の記載内容を踏まえ、どんなリスクがあるでしょうか。

顔写真付きであり、「なりすまし」は基本的には難しく、運転免許証とリスクは変わらないと思います。なお、カードにはICチップが搭載されていますが、税金や資産状況などのプライバシー性の高い情報は入っていません。

暗証番号が分からなければ、ほぼ利用できない

マイナンバーカードを使用して、コンビニでの住民票・印鑑証明書発行や、インターネットによる行政手続き(マイナポータル)等で行政関連の手続きが可能となります。

しかしながら、どの手続きでも基本的にはマイナンバーカード発行時に設定した「暗証番号」の入力が必須となります。

したがって暗証番号が流出していない限り、悪用の可能性は低いこととなります。
(当然ながら、想定されやすいパスワードは突破されやすいでしょう)

今後のマイナンバー関連の制度改正等により、リスクは大きくなる可能性がある

現時点では、マイナンバーもしくはマイナンバーカードを使用してできることは限定されています。悪く言えば活用の幅が狭いということです。

ですが、今後は保険証の代わりとして利用できるようになったり、銀行へのマイナンバー提出が必須となる流れが想定されるほか、様々な点で活用されていくこととなります。

これに伴って、マイナンバー関連の情報漏洩リスクは高まることが想定されますので、一層のセキュリティの向上や不正対策に取り組んでいただき、みんなが安心して利用できるようにして欲しいですね。

結論:個人的には持ち歩き可。でも持ち歩くメリットはない

結論としては、マイナンバーカードを紛失しても秘匿性の高い暗証番号を設定していれば、不正利用等で困ることはないと思っています。したがって持ち歩くことへの抵抗感はあまりないです。

一方で、現在のマイナンバーカードの活用方法はあまり多くなく、主な利用方法はコンビニでの住民票等の取得やインターネットでのマイナポータルの利用ぐらいですので、「必要な時だけ持ち出す」程度に考えておけば良いかと思っています。