コラム

社会人のための大人の勉強法

勉強は好きですか?
こう聞かれて好きと答える人はそう多くはないでしょう。当然、勉強をして資格を取得したり業務上の知識をつけたりすることは、お金儲けに繋がったり、人生そのものを豊かにするものだということは分かっています。
ですが、いつか役に立つかもしれないくらいの感覚で取り組んでいたとしたら、次第に面倒になり、いつしか疎遠になってしまうのが勉強というものではないでしょうか。

社会人の学ぶ意識は低下している?

博報堂生活総合研究所による定点調査によると、2018年に「いくつになっても、学んでいきたいものがある」と答えた人は全体の36.1%との結果であり、調査記録が残る1998年の53.2%から17.1ポイント低下しています。
このような学習意欲の低下は、社会的に重要なポジションにいるミドル世代に極端にあらわれているといいます。
入社したころは「やりたいこと」や「夢」をもっていたのにも関わらず、自分が思い描いた内容とは異なる仕事をやり続けなくてはならない環境に置かれ、意欲の低下と新たなスキルを取得する向上心が減退しているものと推測されています。

学生の勉強とは目的が違い、社会人の学習に合格は存在しない

学生の勉強と異なる点は、大人になってからの学習の目的は知識やノウハウの取得、国内外経済情勢に対する知見の獲得などを目標とすることです。
これらは直接社会人としてのスキルアップに繋がる学習でもあり、収入を拡大させるツールとなるものです。したがって大人になってからの学習については、子ども・学生時代の学習より大切であるということがご理解いただけるはずです。

また、資格取得を除いて、社会人になってからの学習には合格・不合格というものが存在しません。これが学生の時との大きな違いです。自分自身で目標を設定できることが、成果を上げやすくするポイントでもあります。

社会人が勉強するためのTips

社会人が効果的に成果を出す勉強に取り組むにあたって、いくつかのヒントがあります。
あなたなりのやり方、ノウハウを身につけて学習に取り組んでみてください。

①学習時間捻出の考え方とその方法

勉強というものは自己に対する投資です。日々の仕事に追われ、勉強する時間がないと諦めてしまう人は、投資の機会を逃しているのと同義といえます。
勉強する時間も無いくらい必死に働いても、得られるのは給与所得のみ。勉強という投資に対するリターン効果(起業、転職、キャリアアップや副業など)を得るチャンスを逃すこととなりかねません。

社会人は誰でも時間が限られています。その中で時間を捻出して勉強の時間にまわす人が勉強という投資による資産を蓄積することができます。どんな時間でも有効に活用し、勉強時間を捻出する努力をしましょう。

時間を捻出するためにお薦めの考え方は「勉強時間の天引き」です。
貯金のようにあらかじめ必要な分を確保してしまう考え方です。短い時間でも構いません、例えば起床後の1時間など、生活の中で捻出できる時間帯をあらかじめ決めておきます。トイレ中の読書だって構わないのです。

②勉強の目的は明確にする

ただ漫然と英語を話せるようになりたいとか、パソコンのスキルを高めたいという考えでは、勉強のモチベーションを保つことに限界があります。
これらは目的とは言えません。それを学ぶことにより何をしたいかを明確にすることが目的です
例えば英語を習得することにより高給な外資系起業への転職を狙うことや、通訳としての副業を始めるなど、勉強という投資に対するリターン目標まで落とし込んでいく必要があります。
このように明確な目標を持たないと、途中でリターンが見込めないことに気づき、投資からの撤退を余儀なくされてしまうのです。

③基礎から学ぼうとしない

限られた時間の中で最大限の勉強という投資効果を引き出すために、関連する分野の全ての知識を網羅しようとしてはいけません
上述のとおり、勉強の目的が明確化されていれば、目的達成に向けた最短ルートを考え、重要な部分から取り組んでいくべきです。
社会人にとって時間は命。基礎からみっちりとコツコツ学ぶ姿勢では、辿り着くゴールは挫折しかありません。

④人から学び、モチベーションを高めることができる

学生時代は自分と同レベルの知識や経験をもった人たちと勉強を行ってきました。
ですが、社会人であれば、あなたが勉強の目的とする分野の専門家や、すでにスキルを身につけて働いている大勢の人と関わりあえる機会に恵まれています。

個人的な相談やセミナー、SNSを活用して繋がることができるのですから、実際に足を運び、アドバイスを受けながら勉強を進めることができます。これは自身のモチベーションを高めることにも非常に効果的です。

⑤アウトプットを欠かさないこと

知識を吸収するだけのインプット型の学習はアウトプットすることで身につくとは良く言われていることです。
仕事の営業先で話してみる、セミナーで発言する、専門家と意見交換をする、SNS等で発信してみる、などアウトプットの場は意外と多いものです。

このようにアウトプットをすることは、自身の知識の定着のみならず、発信に対する回答、意見交換により更なる知識の獲得が可能となる点が大きなメリットとなります。知識や情報を発信することで、相手からも知識や情報を引き出していくということです。

大人の学習は仕組みづくりが肝心

これまでに勉強のヒントとなるいくつかのTipsを挙げさせていただきましたが、いずれにも共通することは「勉強のための仕組みづくり」を行うということが大切ということでした。

将来、あなたの勉強という投資が大きな資産を築くことを願っています。