即時振替サービスは収納機関のWEBサイト上にあらかじめ銀行口座を登録しておき、支払いの都度、すぐに登録口座から支払われるようにするサービスです。
支払いの都度、支払い方法や口座番号を入力する必要がなくなるため非常に便利なサービスですが、気をつけなくてはならないリスクも存在します。
本記事では即時振替サービスのデメリットやリスクについてフォーカスを当ててみたいと思います。
どんな時に即時振替サービスが利用される?
最近身近なのはQRコード決済(PayPay、LINEPay、メルペイ、楽天Edyなど)における残高チャージでの利用です。
あらかじめ銀行口座を登録しておけば、数回のタップで銀行口座から残高のチャージができるようになっていますね。
また、証券会社のWEBサイトにおいても投資元金を柔軟に移し替えることができるように即時振替サービスを提供しています。(実際にサービスを提供しているのは金融機関側で、各社はそのサービスを利用している立場になります)
加えて、競馬の馬券購入用口座への入金やカードローン返済等でも即時振替サービスが利用できるようになっています。
私自身もQRコード決済(PayPay)の利用にあたっては、銀行口座を登録した即時振替サービスを利用しています。
便利だがリスク・デメリットも存在する
便利な掃除振替サービスですが、以下のリスクやデメリットが存在します。
不正利用されるリスク
QRコード決済サービスで即時振替サービスを利用している場合で考えます。
万が一アカウントの乗っ取りや不正利用をされた際に、振替先である銀行口座の預金が電子マネー化されたうえで送金されたり決済に利用されたりしてしまうリスクが存在します。
また、スマートフォンを紛失や盗難された際に、本体やアプリのロックが未設定、または推測されやすいパスワードにしている場合、同様にQRコード決済サービスを通じて口座のお金が取られてしまう可能性があります。
対策としてはスマホ本体と決済サービスの利用にあたって、指紋認証などの生体認証を導入することで、他者による不正利用や即死振替サービスの悪用リスクを低下させることが良いでしょう。
不正利用があった場合、気づくのに遅れる可能性がある
クレジットカードを利用した時、スマホにメールやプッシュ通信がくる設定にされている方も多いかと思いますが、銀行口座の引き落としの通知は来るでしょうか?
口座振替の通知が届かない場合、預金口座の通帳記帳や入出金履歴の照会で不自然な取引に気づくこととなります。
もしクレジットカードの明細はよく見るけど、銀行口座は残高を確認するだけといった方は、不正利用に気づくのが遅くなってしまい、対応が後手に回ってしまう可能性があります。
しっかりお金を管理しないといつの間にか預金が減っているかも?
デメリットというほどではありませんが、即時振替サービスでは、「口座からお金を引き出して使用している」という認識が希薄になってしまいます。
無計画に利用してしまうと「思っていたより預金残高が減っていた」という事態にもなりかねません。利用履歴の明細は定期的に確認し、支出内容を把握するようにしましょう。
過去にはゆうちょ銀行で即時振替サービスにおける不正出金が発生している。今後も発生しないという確約はない。
2020年には、ゆうちょ銀行の即時振替サービスにおいて、「PayPay」「Kyash」「メルペイ」などで不正出金が確認されています。不正出金では第三者が不正に得た口座情報で、決済サービスに口座を登録し第三者のアカウントへ預金の引き出しを行ったとされています。(それぞれのサービスの被害者は全額補償されています。)
これを受け、ゆうちょ銀行や各金融機関では、即時振替サービス利用開始時の本人確認を強化、本人以外の第三者が本人になりすまして銀行口座を登録できないように対策しています。
しかしながら悪意ある人間は常に新たな抜け穴を探しています。自分は大丈夫とは考えず、常に自分の資産の状況をウォッチするようにしましょう。
まとめ
最後に本記事の内容についてまとめます。
- 即時振替サービスは、支払いの際に銀行口座から直接支払われる便利なサービスで、QRコード決済や証券取引で広く利用されている。
- デメリットとして、不正利用のリスクがあり、スマートフォンの盗難や乗っ取りによる被害が懸念される。
- 不正利用に気づくのが遅れる場合もあり、定期的な口座残高の確認が重要。
- 預金の意識が希薄になり、支出管理が難しくなることもある。
- 過去に不正出金の事例があり、本人確認の強化が行われているが、新たな脅威にも注意が必要。
即時振替サービスは便利なものですが、リスクやデメリットを理解したうえで活用しましょう。