コラム

SNSのスポンサード広告認知度の実態を知っておこう

近年はツイッターやインスタグラムをはじめとするSNSが広告メディアとして非常に活況であり、ユーザー数の増加とともにスポンサード広告の数も急増しています。このスポンサード広告の表示について、意外とユーザーが知らないことがあります。

スポンサード広告とは

企業は多くのフォロワーを抱え影響力の強いインフルエンサーに対して宣伝を依頼し発信される広告を「スポンサード広告」といいます。主にツイッターやインスタグラムなどの大手SNSで拡散される広告です。

このようなスポンサード広告は、インフルエンサーが商品、サービス、金銭などの提供を企業から受けて情報を発信をするため、そのことを示す「プロモーション」「PR」「スポンサード」「サポーテッド」「アンバサダー」「協賛」「提供」「タイアップ」などのハッシュタグ等を記載することが推奨されています。

この表示によりSNSを見るフォロワーたちはそれが広告であることを認知します。

ハッシュタグ等による関係性の認知度の実態

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、アンケート回答者のうちハッシュタグがスポンサー広告を示すものだと認知している人の割合は、「よく知っていた、またはある程度知っていた」のが13.3%、「聞いたことがある程度でよく知らなかった」が27.1%、「全く知らなかった」人が49.6%となっており、大半のフォロワーがスポンサー広告と認知していない可能性を表しています。

ハッシュタグ等による関係性明示の認知度

よく知っていた 5.8%
ある程度知っていた 17.5%
聞いたことがある程度であまり知らなかった 27.1%
全く知らなかった 49.6%

出典:消費者庁 第30回インターネット消費者取引連絡会 資料

そのため、SNSの投稿を見るときに、インフルエンサー(情報の発信者)に対して金銭や商品、サービス等が提供されていることを示すスポンサード等のハッシュタグやテキストが含まれているかを確認している人は、「確認している」が10.4%、「紹介された商品を購入したいと思ったときは確認している」が21.9%、「確認していない」が67.7%という結果になっています。

関係性を表すハッシュタグ等の確認状況

確認している 10.4%
商品を購入したいと思ったときは確認している 21.9%
確認していない 67.7%

出典:消費者庁 第30回インターネット消費者取引連絡会 資料

金銭等の提供を受けた広告活動をどう思うか

このように口コミを見て商品やサービスを購入する人の多くが、紹介者が企業より金銭等の提供を受けて紹介をしている事実を認識していないことが分かりました。

それではインフルエンサー(情報発信者)が金銭等の提供を受けて、投稿を行っていたことがわかったとき、皆さんはどのような印象をもつのでしょうか。

金銭等の提供を受けた投稿に対する印象

金銭等の提供を受けていることを明示していれば問題ない 16.3%
情報発信者が商品やサービスをきちんと評価していれば問題ない 51.3%
金銭等の提供を受けて行う投稿は不適切 32.3%

出典:消費者庁 第30回インターネット消費者取引連絡会 資料

条件付きで7割程度の人が問題ないと認識していますが、3割の人は不適切と考えています。

したがって不適切と考える人はスポンサード広告を認知していれば購入に踏み切ることはそうないでしょう。現に同調査ではスポンサード広告の表示がついた商品という理由で購入を見送ったことがある人が15.2%存在しています。

しかしながら、スポンサード広告の認知度から考えれば、不適切と考えながらもそれが金銭等を対価に投稿された口コミとは知らずに購入しているケースは相当数あるだろうと考えられるわけです。

上記のとおり、金銭等の提供を受けて行う投稿は不適切と考える人が32.3%であるのに対し、スポンサード広告だから購入を見送った人は15.2%に留まっていることからも推測できます。

口コミ商品やサービスに対する目利き能力が問われる

SNSによる口コミを見て商品などの購入を検討する場合は、スポンサード広告がハッシュタグ等で記載されているかを確認したうえで判断しましょう。

また金銭等の提供を受けた情報提供者の口コミは果たして本当なのか見極めなくてはなりません。

その場のSNSの投稿だけではなく、他サイトの口コミも調べるなどの検証作業を行い、納得したうえで購入するようにしたほうが良いかもしれませんね。