まだ先の話だけど、将来は住宅を買うんだろうなって考えてる人向け。住宅にまつわる基本的知識の話です。
耕作
住宅購入は人生の三大支出のひとつ
お金がかかるという面で、人生における大きな出費は3つあります。
就職して結婚、そして子どもが生まれた後の「教育資金」、そして手に入れる夢のマイホームの「住宅資金」、子どもが独立して退職したあとの「老後資金」の3つです。
このように住宅購入は人生の1つのヤマ場となり、ライププランニングにも大きな影響を与えるものです。いつかの将来のことと考えず、住宅のお金に関する知識はできるだけ早く身につけましょう。
住宅は購入しても賃貸でもかかるお金はほぼ同じ
「持ち家と賃貸、結局どっちがお得なの?」という議論はよくある話。
結論からいえば、どちらも一長一短があり、結局どちらを選んでもかかるお金はそんなに変わりません。
まず賃貸派の場合ですが、一生賃貸生活をしていくには当然家賃を払い続ける必要があります。したがって退職後の家賃を賄える程度の年金を受給できることが必須といえます。賃貸のメリットとしては、持家のようにローンに縛られることなく、住まいを買えることが容易にできますので、所得やライフプランの変更に合わせた身の丈にあった住宅を選択することが可能なことが最大のメリットといえます。
ただし、高齢になると保証人の問題が顕著に現れてきますので、住まいの選択肢が狭まる可能性があることに注意しなくてはなりません。
一方、住宅購入派の場合はローンの支払いが完了すれば、定期的な大きな支出は止まり、住む家が残る安心感を得られることがメリットです。しかしながらマンションであれば管理費や修繕費、戸建であれば家屋の老朽化に伴う修繕工事やリフォーム費用、またどちらも固定資産税の支払いや火災保険料というような定期的な支出は継続します。
そのほか、ローン返済中は契約に縛られるためにライフプランの変更等に対応し難くなることも考えられます。
それでは、賃貸派と購入はの支出はどのくらいか、比較を見てみましょう。
以下は50年間住んだ場合の総費用を比較したものです。
出典:SUUMO
上記はあくまで一例にすぎませんが、ほとんど支出が変わらないということがお分かりいただけると思います。
なお、持ち家は資産と考えられる傾向がありますが、住宅の資産価値は下落するものです。将来の環境によっては大幅な価値下落にみまわれ、後世に負担を負わせる「負動産」となる可能性もなきにしもあらずです。
住宅購入には諸経費がかかる
住宅を購入するにあたっては、様々な経費がかかります。
例えば仲介手数料、ローンの事務手数料、印紙代、保証料、登録免許税、火災保険料などです。
目安としては、住宅価格の5から8%くらいでしょうか。
仮に3,000万円の住宅を購入する場合、諸経費だけでも150〜240万円のお金が必要となります。
この費用については住宅のローンとして一緒に借り入れることができないこともあるので、ある程度のまとまったお金は用意しておく必要があります。
そのほかにも、家を買うとなると新しい家具家電を揃えたり、引っ越しの代金もかかることを考えれば出費はさらに大きくなります。
したがって住宅購入のシュミレーションを行う際には、これらの諸経費も考えたプランニングが必要です。
ローン負担を減らすポイントは頭金と金利
住宅ローンによって返済するお金は、借入額+金利の合計です。
金利というものは馬鹿にならないくらい負担が大きいものです。仮に3,000万円の住宅を金利3%の期間30年のフルローン(頭金なし)で買ったとしましょう。そうすると最終的な総返済額は約4,500万円になります(元金3,000万円+金利1,500万円)。
金利だけで住宅価格(元金)の半分もの額を支払うこととなってしまいます。
そこで、頭金を用意することで借入額を減らすことができれば、当然に金利の支払額を減らすことができ、より安い価格で住宅を購入することができます。
そして金利。金利が1%違うだけで総支払額は何百万円と変わってきます。今は超低金利時代とはいえ、低いに越したことはありません。借入先の十分な吟味が必要です。