金融一般情報

これだけは知っておきたい為替の基本

為替が動く基本的要因について解説していきます。

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耕作

為替レートの変動要因①貿易活動

為替(対ドルをベースに考えています)は、円とドルの需給関係によって変動します。
つまりは、この需給変動の要因を押さえる必要があります。

まず1つめは、貿易による需給の変化です

日本国内の輸出企業は海外よりドル建ての収入を得ています。この収入となったドルを円に変えるために、為替市場でドルを売り円を買う取引を行います。
一方、輸入企業については、海外に対してドルの支払いを行う必要があるため、支払い代金を手当するため、為替市場で円を売り、ドルを買う取引を行います。

したがって、輸出が輸入を上回る場合にはドル売りのニーズが高まり、円高ドル安となり、輸入が輸出を上回る場合には、円売りのドル買いのニーズが高まり、円安ドル高の要因となります。


為替レートの変動要因②投資活動

2つ目は投資家による影響です。

世界を股にかける投資家をイメージしてください。
このような投資家たちは運用が有利な国にお金を投入します。日本での投資が有利だと考えれば円を買い投資を行い、米国が有利となれば、円を売りドルに変えて運用を行うのです。

投資家の資金の動きが大きく反映されるのは金利水準です。米国の金利が上昇すれば、米国債での運用がいい利回りになると考え、円を売りドルを買うでしょうし、金利の高い国の名目成長率に着目して投資を振り向ける可能性があります。

近年は国際的な投資活動が活発となっており、上記1.で記載した貿易による為替変動よりも、投資家の資金の動きに為替は大きな影響を受けるようになっています。


為替レートの変動要因③物価影響

購買力平価という言葉をご存知でしょうか?

よくマクドナルドのハンバーガーが例にあげられます。米国のハンバーガーが1ドルで、日本のハンバーガーが100円であれば、1ドルは100円の価値をもつことから、1ドル=100円が妥当とする考え方です。

それでは日本国内の物価が上昇したとしたらどうでしょうか。
米国であれば1ドルで買えるハンバーガーが、日本では120円を払わないと買えないとします。そうすると、購買力平価の考えに基づくと、1ドル=120円が妥当となります。
したがって、(日本の)物価が上昇すると円安となり、逆に物価が下がった場合には円高になるという説明ができます。

短期的には金利影響、長期的には物価影響を受ける

②の投資活動では、日本の金利が上昇すれば円が買われ、円高の要因となることが分かりました。

一方③の購買力平価説では、日本の物価が上昇した場合、円安となることが分かりました。

しかし、金利水準が高くなる国は物価上昇率も高くなる傾向があります。そのため、金利影響と物価上昇の影響は相反することとなってしまいます。いったいどちらの影響のほうが強いのでしょうか。

実は金利変動の影響は短期的な為替相場に反映されやすく、物価変動の影響は長期的な為替相場に影響すると考えられているのです。
デフレが続いていた日本が長い期間円高傾向にあったことを踏まえれば、この説明にも納得できるのではないでしょうか。


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