寸借詐欺(すんしゃくさぎ)というのは嘘をついて少額のお金を借り、だまし取る詐欺のことです。たとえばこんな感じです。
とか
困っているし人助けだと思ってついつい貸してしまいたくなりますよね?
たとえ返してもらえなくても、少額だからまあいいやと警察に相談せずに済ませてしまうケースが大半です。
少額でも多くの人を騙せば、詐欺師たちは大金を手にしてしまいます。そして再び多くの善意の人たちからお金を巻き上げていきます。このような詐欺を許してはいけないのです。
寸借詐欺師の手口とは
寸借詐欺が多いのは駅などの公共交通機関に関連する場所などです。「交通費を貸してほしい」といった手口が多く、「財布を落とした・取られた」「ATMが使えない」「家族が入院して急いでいる」など困った状態をアピールして人からお金を引き出そうとします。
以下のような例があります。
- 財布をスられてしまった
- 子どもが病院に運ばれて急いで向かわないといけない
- 友達の車に財布を忘れた
- 警察署に財布を取りに行きたいがお金がない
- 電車による目的地への行き方を聞いたうえで、そのルート分のお金が足りないという
また、近年は道を訪ねる外国人観光客を装い、巧妙にお金を要求する手口もあります。外国人観光客に対して優しくしてあげたいという気持ちを踏みにじる行為ですよね。
寸借詐欺かなと思ったら
本当に困っている人か、詐欺師なのか見極めるための対処法について考えてみました。
交番へ案内する意思を表示する
ご存知の方もいるかと思いますが、交番ではお金を借りることができます。「公衆接遇弁償費(こうしゅうせつぐうべんしょうひ)」というもので、財布をなくしたりして自宅へ帰れなくなった人などを救済する目的の制度です。
基本的には1,000円が限度額ですが、電車代ぐらいは何とかできるでしょう。
したがって(実際に案内する意思がなくても)交番でお金を借りれるという情報を与えてみましょう。本当に困っている人ならば耳を傾けるはずですが、詐欺師は退散するか、あれこれとあなたから借りたい理由を話しだすでしょう。
切符が必要なら買ってあげちゃう
切符を買うお金が必要ということであれば、買ってあげるという意思表示をしてみてはどうでしょうか。もちろん詐欺師の目的はお金ですので変な顔をするかもしれません。ぜひ電車に乗るところまで見送って差し上げましょう。
必要額が曖昧な人は相手にしない
詐欺師はできるだけ多くお金を取りたいので、必要な金額を曖昧に言いがちです。そういった人は相手にする必要はありません。
自分がもし逆の立場だったらいくら必要かはっきり言うはずです。タクシーのようにいくらかかるか分からない場合でも、いくらであれば何とかできる(何とかする)と明言するはずです。
身分証や顔写真を撮ってしまう
お金を貸すのですから身分証ぐらいは見せてもらいましょう。ただし大半の詐欺師が財布をもっていないシチュエーションを演じていますので、身分証はないと言うと思います。
「だったら顔写真を撮らせてください」
嫌なヤツだなと思われたっていいんです。これぐらい言って構わないと思います。本当に必要な人であれば100枚くらい撮らせてくれるでしょう。
寸借詐欺は後から救済されにくい
このような詐欺の被害にあったと後から被害届などを出しても、身元が不明であったり、詐欺だと立証することが難しい(返すつもりだったと言われてしまう)ため、お金を取り戻すことは困難となります。
したがって寸借詐欺は水際で阻止するほかありません。人を疑って過ごすなんて悲しい世の中ですが、あなたが詐欺師に対して厳しい対応をすることで他者の被害を減らせる可能性があります。