「消費者金融」や「キャッシング」という言葉にどんなイメージを浮かべますか?
こうした言葉は負のイメージを連想させてしまうのではないでしょうか。
はたして消費者金融でキャッシングをすることは後ろめたいこと、悪いことなのでしょうか?
消費者金融は適切な利用方法を心がければ非常に便利なものであり、人が生活するうえで必要不可欠な業態といえます。その理由と推奨されるべき利用方法について、この記事で解説していきたいと思います。
消費者金融は何のために存在するのか
過去のイメージを払拭する消費者金融業界
消費者金融は昭和30年代に誕生しています。高度成長期は銀行が個人融資まで手が回っていなかったため、消費者金融会社は個人向けの融資スキームを作り出し、その市場を拡大させていきました。
当初は業界が未熟かつ法的整備がまだまだ甘かったため、昭和50年代に差し掛かる頃には、「高金利」「過剰な貸付」「厳しい取立て」が社会問題化し、消費者金融のイメージは地に落ちてしまいました。
しかしながら消費者金融を利用したいという社会的なニーズは大きく、その市場規模は膨大です。その役割は法的にも認められており、時代の変化に伴い規制の強化を受けながら現在も幅広い利用者のニーズに応えています。
平成21年には貸金業法改正に伴い
- 上限金利を年率20%へ引き下げ(グレーゾーン金利廃止)
- 貸金業協会の自主規制強化
- 年収の3分の1を越える貸付の禁止(総量規制)
といったルールが導入され、高金利・無理な貸付が法的にも困難となっており、無理な取り立てもできなくなっています。その後も消費者金融業者各社はコーポレートガバナンスの強化に努め、消費者金融のイメージ改善に務めています。
親族や知人に頼らずに素早く資金を借りることができる
銀行の融資と消費者金融の違いは「金額」「時間」「保証人・担保の有無」にあります。
銀行は事業の資金や個人の住宅ローンやその他大きめの支出に対するローンを検討しますが、消費者金融は「小口融資」が基本です。
また消費者金融では、銀行では当然のように検討される担保や保証人についても「無担保・無保証」を原則としています。
それに加え審査のスピードが圧倒的に早いという特徴があります。銀行は数週間〜1ヶ月単位で融資可否についてウンウン考えているというのに。
つまり消費者金融は「小口の融資を担保や保証人に頼らずスピーディーに提供する」ことをモットーとしています。これは、いざという時に至急必要なお金を知人や家族にも頼れない人にとって非常にありがたいものです。
こうしたニーズは世間に溢れています。
実は私も消費者金融を利用したことがあります。社会人1年目のゴールデンウィーク前日の会社の飲み会でした。幹事だった私はみんなの飲み代を立替える必要がありましたが、クレジットカードの空き枠も殆どなかったため、ATMから下ろした全財産で飲み台を立て替えたのです。GW明けの飲み代回収までの生活費が無くなってしまったのでアコムのむじんくんに駆け込んだ思い出があります。
この時は消費者金融がいかにありがたい存在かと身にしみたものです。
高いリスクを背負っている業態
法人とは違い個人の信用力というものは非常に低いものです。いつ会社をクビになるか、病気やケガで働けなくなるかも分かりませんし、社会的責任感も低く、失踪してしまう人も稀にいます。
そんな個人にお金を貸すということは非常に高いリスクを負うということです。
消費者金融の金利が非常に高いのは、そのリスクに見合う収入を得ているからです。
メリットのあるキャッシング利用方法とは
「つなぎ資金」として利用する
つなぎ資金とは
つなぎ資金とはよく住宅ローンなどで使用される言葉ではありますが、簡単にいうと「(確実な)入金がなされるまでに一時的にお金を立て替えてもらう」ということ。
私たちサラリーマンなどで多いケースでいうと、次回給料日までの1か月間や次のボーナスまでの期間(最大6か月程度)だけお金を借りるということですね。
返済見通しがしっかりあることが重要
次の給料や、ボーナス(あまり当てにしてはいけませんが)などの確実性の高い収入があり、借入金を返せるという見通しがあってこそ、キャッシングを利用するメリットを最大限に享受することができます。
消費者金融に利用されるのではなく利用する姿勢で
リボルディング返済に甘んじてはならない
消費者金融のほとんどはリボルディング形式での返済を可能としています。
この返済方法とすることで、消費者金融は借入人に対して長く資金を貸し付け、より多くの利息収入を得ることができます。
こうした返済方法が可能であることから、借入人は今月は○%分の返済でいいんだと甘んじてしまい、元金の返済を先送りにしてしまいます。
本当に毎月コツコツ返済しなくてはならない人にとってはありがたい制度ですが、借入元金を返済する力のある人であっても、手元にお金を残しておきたいという心理が働いてしまいます。
これはまさに消費者金融業者の思うつぼ。だらだらと高い利息を支払い続けることになり、まんまと消費者金融の収益源として利用されることになります。
短期的な利用ができる人はキャッシングを便利に使っている
逆にお金は必要な期間だけ借り、収入が入ったらきっちり返済している「上手なユーザー」も存在します。こうした人々は自身の資金繰りをしっかり管理し、消費者金融を使いこなしているのです。
利用することは問題ではない
消費者金融を利用した情報を気にするのはなぜなのか
よくある疑問に「消費者金融を利用したら住宅ローンなどの審査に問題が生じるのではないか」ということです。
当然に延滞などの事故を起こしてしまえば今後のローン審査に大きな影響を与えるでしょう。これは消費者金融に限らず、クレジットカードやどんなローンでも同じことです。契約通りに返済が可能であれば特に気にすることではありません。
問題だと思うのが、消費者金融を利用する人が他の新たなローンを気にするということです。
消費者金融を利用するということは金融資産を持たず、お金に困る状況に立たされたということは間違いありません。
どうしてそんな状況で別のローンを考えるのでしょうか。まずは自身の収入や財政基盤を立て直すことが先ではないでしょうか?
消費者金融から借り入れをしたという情報は完済や解約から5年間は残るといわれています。これらは延滞などの事故(異動情報)がなければ特段気にする必要はないと思っています。
完済から5年以内に住宅購入などの大きなローンを組むということは、相応の安定収入や資産を形成できているはずであり、これを証明すれば何ら問題ないでしょう。そうでなければ検討するのが時期尚早なだけです。
計画性があれば堂々と利用しても構わないのでは
CMで「ご利用は計画的に」というコピーを聞いたことがあると思います。これは建前でもなんでもなく、本当にそう願っていることです。貸し付ける側だってしっかりと返済して欲しいんです。
計画性をもって利用するのであれば、消費者金融を利用することに何ら罪悪感は必要ないと考えます。
使わないに越したことはないんですけどね。