米国経済

米国経済を読み解く8つのキーワード

米国経済を知ることは重要なこと?

avatar

新入職員

経済動向をつかむにはアメリカの経済に関心を持つことが重要だと聞きました。どんな情報に注目すべきでしょうか?

アメリカは世界の中心的存在であるから、その経済動向は日本も強く影響を受けることとなるんだよ。知っておくべき米国経済のキーワードを解説しますので、ぜひ覚えてください。

avatar

耕作

FRB

米国の中央銀行制度をFRS(連邦準備制度)といいますが、その最高機関のことをFRB(The Federal Reserve Board・日本語で連邦準備理事会)といいます。
FRBは議長・副議長を含めて計7名の理事から構成される組織であり、日本における日銀のようなものです。
FRBは米国の中央銀行的な役割を担い、米国の主要都市にある12の地区連邦準備銀行を統括するほか、後述の「FOMC」という会合を開き、米国の金融政策を決定しています。
FRBの理事は大統領の指名および上院の承認を得て任命されます。その理事の中から選出される議長については、大統領に次ぐ影響力を持つと言われています。そのため経済大国である米国の金融政策は世界への影響が大きいことからも、FRB議長の発言は世界中から注目されます。

ポイント:FRB議長の発言はマーケットへの影響力があり注目されています。

FOMC

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、アメリカの金融政策を決定する会合のことをいいます、
足元の景況を判断し、政策金利(FF金利)の上げ下げなどの方針を決定し、内容によっては世界の金融マーケットに大きな影響を与えます。
FOMCは上述のFRBの理事7名と、地区ごとの連邦準備銀行総裁5名で構成されています。約6週間ごとに年8回、または必要に応じて会議が開かれています。
FOMCが発表する声明文は会合の最終日(政策決定日)に、議事の要旨は約3週間後に公表されますが、いずれもマーケット関係者にとって今後の米国金融政策を予測する大きな手掛かりとなるため、その内容は非常に注目されています。
なお、日本における同種の会合は、「日銀金融政策決定会合」がそれにあたります。

ポイント:FOMC政策決定日の声明文がマーケット関係者に注目されています。

FFレート

FFレートとは、フェデラル・ファンド(Federal Funds)レートの略で、連邦準備銀行(米国に12ある中央銀行)に預け入れる無利息の準備金が不足している銀行が、余剰の出ている銀行より無担保で資金を借りる際に適用される金利のことをいいます。
この市場をフェデラル・ファンド市場といいますが、日本のコール市場と同じような仕組みとなっています。
FFレートについては、金融政策を決定するFOMCで決定され、FRBによって目標金利までの誘導が行われています。通常、米国の景気が減速している時は資金需要が減退するため、FRBはFFレートの誘導目標を引き下げて金融緩和を行います。一方、景気の上昇局面においては資金需要が増加するため、FFレートの誘導目標が引き上げられることとなります。

ポイント:FFレートの動きは米国の景気動向を知る指標となります。

米国雇用統計

米国雇用統計とは米国の雇用情勢を示す統計で、景気状況を探るうえで最も重要な指標の一つであり、毎月第1金曜日に米国労働省(U.S.Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が発表しています。
米国の景気の実態を表す最新の数値として、各種マーケットにも影響を与えるため、市場関係者が注目する指標です。
この統計は企業や政府機関などに対するサンプル調査に基づき、10数項目の統計が発表されます。
その中でも最も注目される指標は、以下の「非農業部門雇用者数」と「失業率」の2つとなります。

  • 非農業部門雇用者数(NFP)とは、雇用統計の中で失業率と並んで最も注目される指標であり、経済政策変更の契機となることが多い指標。非農業部門に属する事業所の給与支払い帳簿を基に集計された就業者数が示される。
  • 失業率とは、失業者数を労働力人口(失業者と就業者の合計)で割って算出されるもの。米国に限らずその国の雇用状況を把握するのにチェックされる代表的な経済指標です。

ポイント:雇用統計はFOMCの金融政策決定にも大きな影響を与えると言われています。

(米国)消費者物価指数

米国消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)とは、米労働省労働統計局より毎月15日前後に発表される統計です。
消費者が購入するモノ(車、家電製品、食品など)やサービス(教育、医療、娯楽)の物価の動きを把握するために利用される統計指標です。
国民の生活水準を示す指標のひとつと言え、物価上昇の有無を教えてくれる経済指標といえます。

ポイント:米国のインフレ率を分析するために使用されます。

ダウ工業株30種平均

米国のダウ・ジョーンズ社(ウォールストリートジャーナルを発行している会社です。)が算出、発表している米国を代表する株価指数です。「ダウ平均」や「ニューヨーク・ダウ」とも呼ばれます。
当該指標はニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している企業より、30銘柄をピックアップして算出しています。この銘柄は時代の流れに応じて入れ替えが行われることがありますが、2018年11月現在の銘柄は下記の通りです。

  1. アップル(コンピュータ)
  2. アメリカン・エキスプレス (金融)
  3. ボーイング (航空機)
  4. キャタピラー (重機)
  5. シスコシステムズ (情報・通信)
  6. シェブロン (石油)
  7. デュポン (化学)
  8. ウォルト・ディズニー (娯楽・メディア)
  9. ゼネラル・エレクトリック(総合電機・金融)
  10. ゴールドマン・サックス (金融)
  11. ホームデポ (小売業)
  12. アイ・ビー・エム(コンピュータ)
  13. インテル(半導体)
  14. ジョンソン・エンド・ジョンソン (医薬品)
  15. JPモルガン・チェース (金融)
  16. コカ・コーラ (飲料)
  17. マクドナルド (外食)
  18. スリーエム(化学)
  19. メルク (医薬品)
  20. マイクロソフト (ソフトウェア)
  21. ナイキ(その他製品)
  22. ファイザー (医薬品)
  23. プロクター・アンド・ギャンブル (日用品)
  24. トラベラーズ (保険)
  25. ユナイテッド・ヘルス(保険)
  26. ユナイテッド・テクノロジーズ(航空宇宙・防衛)
  27. ビザ(その他金融)
  28. ベライゾン・コミュニケーションズ (通信)
  29. ウォルマート・ストアーズ (小売業)
  30. エクソンモービル (石油)

ポイント:ダウ平均は株価の平均値の指標であるため、株価の大きい銘柄の動きに大きく影響される傾向があります。

S&P500種指数

S&P500種指数とは、S&P Dow Jones Indices LLC (S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社)によって算出される米国株式市場の動向を示す株価指標。対象銘柄はニューヨーク証券取引所、ナスダック等の米国企業で、流動性がある大型株から選定されています。
時価総額をベースとした指標であり、工業株400種、公共株40種、金融株40種、運輸株20種の合計500銘柄の時価総額を指数化して算出されています。米国の株式市場の約80%をカバーしており、ダウ株業株30種平均と比較して、組入銘柄数が大きく上回っていることが特徴です。

ポイント:時価総額の大きな銘柄(大型株)の動きに大きく影響されます。

FANG

FANGとは、米国の巨大なハイテク銘柄のことを指し、2015年頃から使われるようになった用語です。
SNS大手のフェイスブック(F)、世界最大のネット通販サイトであるアマゾン・ドット・コム(A)、世界最大のネット動画配信サービス会社であるネットフリックス(N)、検索エンジンのグーグル(G)、これら4社の頭文字を繋いだ造語がFANGです。
FANGは人々の生活や産業構造を大きく変化させるほどの影響力をもっており、その影響力の高さから、規制強化の動きも見られています。米国株式市場の指標への影響力も大きく、FANGの動向については高い関心が集まっています。

ポイント:FANGはもう古く、Nvidia(エヌビディア・コーポレーション)やApple(アップル)、マイクロソフト等を含めた呼称も出てきています。

↓米国経済を知るおすすめの書籍です↓